ゆうれいぶね
幽霊船

冒頭文

沖(おき)の方(ほう)に、光(ひか)ったものが見(み)えます。海(うみ)の水(みず)は、青黒(あおぐろ)いように、ものすごくありました。そして、このあたりは、北極(ほっきょく)に近(ちか)いので、いつも寒(さむ)かったのであります。 光(ひか)ったものは、だんだん岸(きし)の方(ほう)に近寄(ちかよ)ってきました。そして、だんだんはっきりとそれがわかるようになりました。それは、氷山(ひょ

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1924(大正13)年11月

底本

  • 定本小川未明童話全集 5
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年3月10日