まちのてんし |
| 町の天使 |
冒頭文
S(えす)という少年(しょうねん)がありました。 毎日(まいにち)、学校(がっこう)へゆくときも、帰(かえ)るときも、町(まち)の角(かど)にあった、菓子屋(かしや)の前(まえ)を通(とお)りました。その店(みせ)はきれいに飾(かざ)ってあって、ガラス戸(ど)がはまっていて、外(そと)の看板(かんばん)の上(うえ)には、翼(つばさ)を拡(ひろ)げたかわいらしい天使(てんし)がとまって、その下(
文字遣い
新字新仮名
初出
「赤い鳥」1926(大正15)年1月
底本
- 定本小川未明童話全集 5
- 講談社
- 1977(昭和52)年3月10日