ひがさとちょう
日がさとちょう

冒頭文

ある山(やま)の中(なか)の村(むら)に、不(ふ)しあわせな二人(ふたり)の娘(むすめ)がありました。 一人(ひとり)の娘(むすめ)は、生(う)まれつき耳(みみ)が遠(とお)うございました。もう一人(ひとり)の娘(むすめ)は、小(ちい)さな時分(じぶん)にけがをして、びっこであったのであります。 この二人(ふたり)の娘(むすめ)は、まことに仲(なか)のいいお友(とも)だちであり

文字遣い

新字新仮名

初出

「週刊朝日」1924(大正13)年7月

底本

  • 定本小川未明童話全集 5
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年3月10日