はるさきのこぶつてん
春さきの古物店

冒頭文

広(ひろ)やかな通(とお)りには、日(ひ)の光(ひかり)が暖(あたた)かそうにあたっていました。この道(みち)に面(めん)して、両側(りょうがわ)には、いろいろの店(みせ)が並(なら)んでいました。ちょうどその四(よ)つ辻(つじ)のところに、一軒(けん)の古道具(ふるどうぐ)をあきなっている店(みせ)がありました。そこに、各種(かくしゅ)の道具類(どうぐるい)が置(お)かれてある有(あ)り様(さま

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1926(大正15)年3月

底本

  • 定本小川未明童話全集 5
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年3月10日