はつなつのそらでわらうおんな
初夏の空で笑う女

冒頭文

あるところに、踊(おど)ることの好(す)きな娘(むすめ)がありました。家(いえ)のうちにいてはもとよりのこと、外(そと)へ出(で)ても、草(くさ)の葉(は)が風(かぜ)に吹(ふ)かれて動(うご)くのを見(み)ては、自分(じぶん)もそれと調子(ちょうし)を合(あ)わせて、手(て)や足(あし)を動(うご)かしたり、体(からだ)をしなやかに曲(ま)げるのでした。 また、日(ひ)の輝(かがや)く下(し

文字遣い

新字新仮名

初出

「童話」1925(大正14)年5月

底本

  • 定本小川未明童話全集 5
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年3月10日