にんげんとゆわかし |
| 人間と湯沸かし |
冒頭文
ある日(ひ)のこと、女中(じょちゅう)はアルミニウムの湯沸(ゆわ)かしを、お嬢(じょう)さんたちが集(あつ)まって、話(はなし)をしていなされたお座敷(ざしき)へ持(も)ってゆくと、 「まあ、なんだね、お竹(たけ)や、こんな汚(きたな)らしい湯沸(ゆわ)かしなどを持(も)ってきてさ。これは、お勝手(かって)で使(つか)うのじゃなくって?」と、お家(うち)のお嬢(じょう)さんは、目(め)をまるくし
文字遣い
新字新仮名
初出
「婦人倶楽部」1927(昭和2)年4月号
底本
- 定本小川未明童話全集 5
- 講談社
- 1977(昭和52)年3月10日