おおきなかしのき
大きなかしの木

冒頭文

野(の)の中(なか)に、一本(ぽん)の大(おお)きなかしの木(き)がありました。だれも、その木(き)の年(とし)を知(し)っているものがなかったほど、もう、長(なが)いことそこに立(た)っているのでした。 木(き)は、平常(ふだん)は、黙(だま)っていました。だれとも話(はなし)をするものがなかったからです。あたりにあった木(き)はいずれも小(ちい)さく、背(せ)が低(ひく)うございまし

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 定本小川未明童話全集 5
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年3月10日