ゆりをほる
百合を掘る

冒頭文

百合掘ると  唐鍬(トガ)をかたぎつひと恋ひて  林に行けば濁り田に   白き日輪くるほしく  うつりゆれたる友らみな   大都のなかに入学の    試験するらんわれはしも  身はうち疾みてこゝろはも  恋に疲れぬ森のはて   いづくにかあれ子ら云へる  声ほのかにてはるかなる  地平のあたり汽車の音   行きわぶごとしこのまひる  鳩のまねして松森の    うす日のなかにいとちさき  百合のうろ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 新修宮沢賢治全集 第六巻
  • 筑摩書房
  • 1980(昭和55)年2月15日