げんそう
幻想

冒頭文

濁みし声下より叫ぶ 炉はいまし何度にありや 八百といらへをすれば 声なくて炭(たん)を掻く音 声ありて更に叫べり づくはいまし何度にありや 八百といらへをすれば またもちえと舌打つひゞき 灼熱のるつぼをつゝみ むらさきの暗き火は燃え そがなかに水うち汲める 母の像恍とうかべり 声ありて下より叫ぶ 針はいま何度にありや 八百といらへて云へば たちまちに階を来る音 八百

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 新修宮沢賢治全集 第六巻
  • 筑摩書房
  • 1980(昭和55)年2月15日