〔しもふるかやのほそみちに〕
〔霧降る萱の細みちに〕

冒頭文

霧降る萱の細みちに われをいぶかり腕組める なはたくましき漢子かな 白き上着はよそへども ひそに醸せるなが酒を うち索めたるわれならず はがねの槌は手にあれど ながしづかなる山畑に 銅を探らんわれならず 検土の杖はになへども 四方にすだけるむらどりの 一羽もために落ちざらん 土をけみして培(つちかひ)の 企画をなさんつとめのみ さあればなれよ高萱の 群うち縫へるこのみ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 新修宮沢賢治全集 第六巻
  • 筑摩書房
  • 1980(昭和55)年2月15日