はつこい
はつ恋

冒頭文

P・V・アンネンコフに捧(ささ)げる 客はもうとうに散ってしまった。時計が零時半(れいじはん)を打った。部屋の中に残ったのは、主人と、セルゲイ・ニコラーエヴィチと、ヴラジーミル・ペトローヴィチだけである。 主人は呼鈴(よびりん)を鳴らして、夜食の残りを下げるように命じた。 「じゃ、そう決りましたね」と主人は、一層ふかぶかと肘掛椅子(ひじかけいす)に身を沈めて、葉巻

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • はつ恋
  • 新潮文庫、新潮社
  • 1952(昭和27)年12月25日、1987(昭和62)年 1月30日73刷改版