しあわせ |
| 幸福 |
冒頭文
「幸福(しあわせ)」がいろいろな家へ訪(たず)ねて行きました。 誰でも幸福の欲しくない人はありませんから、どこの家を訪ねましても、みんな大喜びで迎えてくれるにちがいありません。けれども、それでは人の心がよく分りません。そこで「幸福」は貧しい貧しい乞食(こじき)のような服装(なり)をしました。誰か聞いたら、自分は「幸福」だと言わずに「貧乏」だと言うつもりでした。そんな貧しい服装をしていても、それでも
文字遣い
新字新仮名
初出
「婦人之友」1921(大正10)年1月
底本
- 日本児童文学名作集(下)〔全2冊〕
- 岩波文庫、岩波書店
- 1994(平成6)年3月16日