そのひからしょうじきになったはなし
その日から正直になった話

冒頭文

あるところに、気(き)の弱(よわ)い少年(しょうねん)がありました。いい少年(しょうねん)でありましたけれど、気(き)が弱(よわ)いばかりに、うそをついたのです。自分(じぶん)でも、うそをつくことは、よくない、卑怯(ひきょう)なことだということは知(し)っていました。 「もう、これから、私(わたし)はうそはつかない。」と、うそをいった後(あと)では、いつも少年(しょうねん)は心(こころ)にそう思

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1927(昭和2)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 6
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年4月10日