さまざまなおいたち |
| さまざまな生い立ち |
冒頭文
日(ひ)にまし、あたたかになって、いままで、霜柱(しもばしら)が白(しろ)く、堅(かた)く結(むす)んでいた、庭(にわ)の黒土(くろつち)が柔(やわ)らかにほぐれて、下(した)から、いろいろの草(くさ)が芽(め)を出(だ)してきました。 「お父(とう)さん、すずらんの芽(め)が、だんだん伸(の)びてきましたよ。」と、庭(にわ)に出(で)て、遊(あそ)んでいた少年(しょうねん)が、奥(おく)の方(
文字遣い
新字新仮名
初出
「教育新潮」1928(昭和3)年4月
底本
- 定本小川未明童話全集 6
- 講談社
- 1977(昭和52)年4月10日