うみのおどり |
| 海の踊り |
冒頭文
日本海(にほんかい)の荒波(あらなみ)が、ドドン、ドドンといって岸(きし)を打(う)っています。がけの上(うえ)に、一本(ぽん)の松(まつ)の木(き)が、しっかり岩(いわ)にかじりついて、暗(くら)い沖(おき)をながめて、嵐(あらし)にほえていました。 そこへ、どこからともなく、紅(あか)い、いすかが飛(と)んできて、松(まつ)の木(き)にとまりました。 「松(まつ)の木(き)さん、なんで、
文字遣い
新字新仮名
初出
「少女画報」1929(昭和4)年8月
底本
- 定本小川未明童話全集 6
- 講談社
- 1977(昭和52)年4月10日