はらっぱのこどもかい
原つぱの子供会

冒頭文

汽車のやうな郊外電車が、勢ひよくゴッゴッゴッゴッと走つて来て、すぐそばの土堤(どて)の上を通るごとに、子供達(たち)は躍り上つて、思はず叢(くさむら)から手を挙げました。けれどそれが行つてしまふと、またみんな一心に、自分の知らない草や花や虫や石をさがして、草原を分け進むのでした。 いろんなものを拾ひ集めて、その名を覚えたり、それできれいな博物の標本をつくつたり、それを遠い街の子供会へ贈つ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「児童芸術研究 第九号」1936(昭和11)年

底本

  • 日本児童文学大系 三〇巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日