ははのひ
母の日

冒頭文

一 新しいランドセルを脊負(せお)ひ、新しい草履袋をさげて、一年生の進(すすむ)ちやんは、元気よく学校から帰つて来ました。 「ただいまア!」 「はい、お帰りなさい。早かつたわねえ。」 さう云(い)つてお母様が、すぐニコニコして玄関に出ていらつしやると、進ちやんは帽子をとり、靴(くつ)をぬぎながら、お母様にききました。 「ママ、今日、ほんとに何も買はなかつた? ほんとに

文字遣い

新字旧仮名

初出

「お話の木」子供研究社、1937(昭和12)年7月

底本

  • 日本児童文学大系 三〇巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日