そうじとうばん
掃除当番

冒頭文

びつくりするほど冷たい井戸水を、ザブ〳〵と二つのバケツに一ぱい汲(く)むと、元気な槇(まき)君はそれを両手にさげて、廊下から階段を登つて、トツトと自分の教室へ帰つて来ました。 すると、だしぬけに、四五人の掃除当番の者が、口々にかう叫びました。 「おい君、五年生のやつらが、僕たちのぞうきんを持つてつちやつたぞ!」 「おれ、ほうきで追つかけたんだが、どうしても返さないんだ——」 「

文字遣い

新字旧仮名

初出

「教育論叢」1933(昭和8)年7月

底本

  • 日本児童文学大系 三〇巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日