くりひろいしゅうかん
栗ひろひ週間

冒頭文

「おい〳〵、みんな、よう聞け。今日はもう三時まへだから、通草(あけび)をとつたり、野葡萄(のぶだう)をとつて食つてちや、あかんぞ。今日は、一番おしまひの日だからな。一人が四合以上ひろふんだから、ひろつた栗(くり)は、一つだつて食つちや、あかんぞ。」 鎮守の裏山の雑木林にさしかゝると、もうあちこちに、栗の木が見えだしました。六人づれの先頭になつてゐた高一(かういち)は、坂道をわざと後向(うしろ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「お話の木」子供研究社、1937(昭和12)年11月

底本

  • 日本児童文学大系 三〇巻
  • ほるぷ出版
  • 1978(昭和53)年11月30日