みっつのかぎ
三つのかぎ

冒頭文

一 ある青年(せいねん)は、毎日(まいにち)のように、空(そら)を高(たか)く、金色(きんいろ)の鳥(とり)が飛(と)んでゆくのをながめました。彼(かれ)は、それを普通(ふつう)の鳥(とり)とは思(おも)いませんでした。なにか自分(じぶん)にとって、いいことのある使(つか)いであろうというように思(おも)ったので、その鳥(とり)の行方(ゆくえ)を探(さが)そうとしました。どこかに巣(す)があるに

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1925(大正14)年12月

底本

  • 定本小川未明童話全集 4
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年2月10日