はなとしょうじょ
花と少女

冒頭文

ある日(ひ)のこと、さち子(こ)は、町(まち)へ使(つか)いにまいりました。そして、用(よう)をすまして、帰(かえ)りがけに、ふと草花屋(くさばなや)の前(まえ)を通(とお)りかけて、思(おも)わず立(た)ち止(ど)まりました。 ガラス戸(ど)の内(うち)をのぞきますと、赤(あか)い花(はな)や、青(あお)い花(はな)や、白(しろ)い花(はな)が、みごとに、いまを盛(さか)りと咲(さ)き乱(み

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1924(大正13)年5月

底本

  • 定本小川未明童話全集 4
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年2月10日