だいこんとダイヤモンドのはなし |
| 大根とダイヤモンドの話 |
冒頭文
秋(あき)になって穫(と)れた野菜(やさい)は、みんな上(じょう)できでありましたが、その中(なか)にも、大根(だいこん)は、ことによくできたのであります。 百姓(しょう)は、骨(ほね)をおった、かいのあることをいまさらながら喜(よろこ)びました。そして、これだけにできるまでの、過(す)ぎ去(さ)った日(ひ)のことなどを考(かんが)えずにはいられませんでした。 彼(かれ)は、ある日(ひ)、
文字遣い
新字新仮名
初出
「赤い鳥」1923(大正12)年11月
底本
- 定本小川未明童話全集 4
- 講談社
- 1977(昭和52)年2月10日