さかずきのりんね
さかずきの輪廻

冒頭文

(この童話(どうわ)はとくに大人(おとな)のものとして書(か)きました。) 昔(むかし)、京都(きょうと)に、利助(りすけ)という陶器(とうき)を造(つく)る名人(めいじん)がありましたが、この人(ひと)の名(な)は、あまり伝(つた)わらなかったのであります。一代(だい)を通(つう)じて寡作(かさく)でありましたうえに、名利(みょうり)というようなことは、すこしも考(かんが)えなかった人(ひと)で

文字遣い

新字新仮名

初出

「婦人公論 9巻1号」1924(大正13)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 4
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年2月10日