かわみずのはなし |
| 河水の話 |
冒頭文
河水(かわみず)は、行方(ゆくえ)も知(し)らずに流(なが)れてゆきました。前(まえ)にも、また、後(うし)ろにも、自分(じぶん)たちの仲間(なかま)は、ひっきりなしにつづいているのでした。そして、どこへゆくという、あてもなしに、ただ、流(なが)れている方(ほう)に、みんなはゆくばかりでした。 前(まえ)にいったものは、笑(わら)ったり、わめいたり、喜(よろこ)ばしそうに踊(おど)ったりしてい
文字遣い
新字新仮名
初出
「早稲田文学」1924(大正13)年6月
底本
- 定本小川未明童話全集 4
- 講談社
- 1977(昭和52)年2月10日