おじいさんとくわ
おじいさんとくわ

冒頭文

だんだんと山(やま)の方(ほう)へはいってゆく田舎(いなか)の道(みち)ばたに、一軒(けん)の鍛冶屋(かじや)がありました。その前(まえ)を毎日(まいにち)百姓(しょう)が通(とお)って、町(まち)の方(ほう)へゆき、帰(かえ)りには、またその家(うち)の前(まえ)を通(とお)ったのであります。 「どうか、今年(ことし)も豊作(ほうさく)であってくれればいいがな。」と、話(はなし)をしてゆき

文字遣い

新字新仮名

初出

「小学少年」1924(大正13)年4月

底本

  • 定本小川未明童話全集 4
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年2月10日