うおとはくちょう
魚と白鳥

冒頭文

河(かわ)の中(なか)に、魚(うお)が、冬(ふゆ)の間(あいだ)じっとしていました。水(みず)が、冷(つめ)たく、そして、流(なが)れが急(きゅう)であったからであります。水(みず)の底(そこ)は、暗(くら)く、陰気(いんき)でありました。 魚(うお)の子供(こども)は、長(なが)い間(あいだ)、こうして、じっとしていることに退屈(たいくつ)をしてしまいました。早(はや)く、水(みず)の

文字遣い

新字新仮名

初出

「童話」1924(大正13)年3月

底本

  • 定本小川未明童話全集 4
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年2月10日