あるよのほしたちのはなし
ある夜の星たちの話

冒頭文

それは、寒(さむ)い、寒(さむ)い冬(ふゆ)の夜(よ)のことでありました。空(そら)は、青々(あおあお)として、研(と)がれた鏡(かがみ)のように澄(す)んでいました。一片(ぺん)の雲(くも)すらなく、風(かぜ)も、寒(さむ)さのために傷(いた)んで、すすり泣(な)きするような細(ほそ)い声(こえ)をたてて吹(ふ)いている、秋(あき)のことでありました。 はるか、遠(とお)い、遠(とお)

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 定本小川未明童話全集 4
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年2月10日