あるひのせんせいとこども
ある日の先生と子供

冒頭文

それは、寒(さむ)い日(ひ)でありました。指(ゆび)のさきも、鼻(はな)の頭(あたま)も、赤(あか)くなるような寒(さむ)い日(ひ)でありました。吉雄(よしお)は、いつものように、朝(あさ)早(はや)くから起(お)きました。 「お母(かあ)さん、寒(さむ)い日(ひ)ですね。」と、ごあいさつをして震(ふる)えていました。 「火鉢(ひばち)に、火(ひ)がとってあるから、おあたんなさい。」と、お

文字遣い

新字新仮名

初出

「童話」1924(大正13)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 4
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年2月10日