月もなき無窮の夜空、あまたの星のきらめきて、横たはる天の河、ひときはさんざめく。風凪(なぎ)たれど、海ざわめきぬ。見渡せば、ざあと一つまた一つ押し寄せ來(きた)る小浪(さざなみ)の、皆火のやふに燦(きら)めきぬ。黄泉(よみ)の國の美しさもかくあらむや。眞(まこと)に夢の如し。小浪の浪間(なみま)は漆黒なれど、波の穗の、金色(こんじき)を帶び、漂ひぬ。——そのまばゆきに驚かされぬ。たゆげなる浪、こと