やそうざっき・やちょうざっき 02 やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記 02 野鳥雑記

冒頭文

野鳥雑記 一 暫(しば)らく少年と共に郊外の家に住むことになって、改めて天然を見なおすような心持が出て来た。少なくとも今までの観察の、大抵(たいてい)は通りすがりのものだったことを感ずる。旅は読書と同じく他人の経験を聴き、出来るだけ多くの想像を以(もっ)て、その空隙(くうげき)を補綴(ほてつ)しなければならぬ。自分の如(ごと)き代々の村人の末でも、ほんの僅(わず)かな間の学問生

文字遣い

新字新仮名

初出

野鳥雑記「アルト 第四〜六号」紀伊国屋書店、1928(昭和3)年8月1日〜10月1日、鳥の名と昔話「野鳥 第一巻第二号、第二巻第八号」梓書房、1934(昭和9)年6月1日、1935(昭和10)年8月1日、梟の啼声「家の光 第三巻第八号」産業組合中央会、1927(昭和2)年8月1日、九州の鳥「九州民俗学 特輯号」九州民俗学会、1930(昭和5)年10月8日、翡翠の歎き「郊外 第六巻第六号」郊外社、1926(大正15)年5月1日、絵になる鳥「短歌月刊 第二巻第七号」文芸月刊社、1930(昭和5)年7月1日、烏勧請の事「東京朝日新聞」東京朝日新聞社、1934(昭和9)年5月13〜16日、初烏のことなど「大阪朝日新聞」大阪朝日新聞発行所、1930(昭和5)年1月3日、鳶の別れ「経済往来 第一巻第四号」日本評論社、1926(大正15)年6月1日、村の鳥「きぬた」、1934(昭和9)年1月、六月の鳥「文体 第一号」文体社、1933(昭和8)年7月15日、須走から「野鳥 第一巻第四号」梓書房、1934(昭和9)年8月1日、雀をクラということ「南島研究 第二輯」南島研究会、1928(昭和3)年5月10日、談雀「俳句研究 第六巻第二号」改造社、1939(昭和14)年2月1日

底本

  • 野草雑記・野鳥雑記
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 2011(平成23)年1月14日