こくごのじざいせい
国語の自在性

冒頭文

文化の発展には民族というものが基礎とならねばならぬ。民族的統一を形成するものは風俗慣習等種々なる生活様式を挙げることができるであろうが、言語というものがその最大な要素でなければならない。故に優秀な民族は優秀な言語を有(も)つ。ギリシャ語は哲学に適し、ラティン語は法律に適するといわれる。日本語は何に適するか。私はなおかかる問題について考えて見たことはないが、一例をいえば、俳句という如きものは、とても

文字遣い

新字新仮名

初出

「国語特報 第五号」1936(昭和11)年1月

底本

  • 西田幾多郎随筆集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1996(平成8)年10月16日