はすのはなひらくおとをきくこと
蓮の花開く音を聴く事

冒頭文

一 昭和九年六月の本誌(ドルメン)三〇頁に「又四五十年前三好太郎氏話に、夏の早朝、大阪の城堭え、屡ば相場師が來て、水に臨んで喫烟し乍ら蓮の花の開くをまち、其音を聽て立去たと、其を聽て何にするかを聞なんだ、子細のある事か、識者の高教をまつ」と書置たが、一向高教は出なんだ。處ろが今(十一)月十五日弘前市の廣田博君より次の通知を受た。 愚生の母方の祖母から、幼時より聽ました事、其祖母は萬延元年の出

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「ドルメン 第四卷第一號」1935(昭和10)年1月

底本

  • 南方熊楠全集第六卷 〔文集Ⅱ〕
  • 乾元社
  • 1952(昭和27)年4月30日