あとがき 「よるのみちづれ」
あとがき 「夜の道づれ」

冒頭文

「出離」という事は多分西洋にはないことである。晩年のストリンドベルヒの物やヘルマン・ヘッセの作品などに、ややそれに似たものが提出されているが、いずれも少し違うようである。「出離」というものは東洋獨特のもので、ヨーロッパ的なメトーデのどんなものを持つて來ても解明できないもののようである。それを書きたかつた。 書きたいといつても、例の通りに私の場合には、自分の實生活から切り離された觀念的追求だと

文字遣い

旧字新仮名

初出

「三好十郎作品集 第二卷」河出書房、1952(昭和27)年11月25日

底本

  • 三好十郎作品集 第二卷
  • 河出書房
  • 1952(昭和27)年11月25日