あおじろきこうえん
青白き公園

冒頭文

うるはしくもまたおそろしき 声もつ乙女 ライン河の姫よ 湖水に沈みたる鐘の響 森の姫ラウデンデラインよ 星の世界へ昇りたるケルンよ さうして、花子さんも 千代子さんも 涙など流してはいけません 皆なで一所に これからは 遊びませう いつまでも この美しい公園の中で 第一章 その序(はじめ)に ……親しき人々よ、谷間に咲ける真白き花はわれらが為に開くなり、

文字遣い

新字旧仮名

初出

「少女 第九十五(十一月号)、九十七、一〇〇、一〇二、一〇五号(御渡欧記念の巻 九月号)」時事新報社、1920(大正9)年10月6日、12月、1921(大正10)年3月、5月、8月8日

底本

  • 牧野信一全集第一巻
  • 筑摩書房
  • 2002(平成14)年8月20日