ことしはっぴょうしたいちばんすきなじさくについて
今年発表した一ばん好きな自作について

冒頭文

今年発表した作品のうちでは次の三篇に幾分の好意を感ずる。小林君と河上君の言葉を覚へてゐる。 ラガド大学参観記 吊籠と月光と 歌へる日まで(西部劇通信、アウエルバツハの歌) 以上は相通ずる意味を持つものであり、またその他単独のものを幾つか発表したが、特に好き嫌ひを区別することは困難である。

文字遣い

新字旧仮名

初出

「作品 第一巻第八号(十二月号)」作品社、1930(昭和5)年12月1日

底本

  • 牧野信一全集第四巻
  • 筑摩書房
  • 2002(平成14)年6月20日