ふ「うたえるひまで」
附「歌へる日まで」

冒頭文

R村々長殿 御手紙拝見いたしました。御督促にあづかるまでもなく「R村々歌」に就きましては小生夢にも忘るゝことなく出京以来もその構想に寧日なき有様にて没頭いたして居ります。然して、漸く、その登場歌章(パロドス)の大半の草稿を終り、今はこれに三脚韻律を踏ませつゝ、二十聯(スタンザ)にとりまとむべく苦行中でございます。今月中には、この上合唱歌章(スタシモン)及び哀悼歌章(コモス)をも完成して、

文字遣い

新字旧仮名

初出

「文藝春秋 第八巻第十号(九月特別号)」文藝春秋社、1930(昭和5)年9月1日

底本

  • 牧野信一全集第四巻
  • 筑摩書房
  • 2002(平成14)年6月20日