どくしょとせいかつ
読書と生活

冒頭文

驢馬旅行 友達のAが私の部屋に現はれて云つた。 「また大阪へ行つて来るんだが、土産は何が好い?」 「今日行くの?」 「そのつもりだつたんだが、水泳を見て来たいので明日になるだらう。一処に行かないか、帰りにサニイ・サイド・アツプも観て来たいし、バー・△△にも三十分ほど……」 「その間にダンス・ホールの時間を挟むのを忘れてゐるな。——悉く附き合はう。大阪へは、やつぱり飛行機で行く

文字遣い

新字旧仮名

初出

「時事新報 第一六九五九号、第一六九六一号、第一六九六二号」時事新報社、1930(昭和5)年8月29日、31日、9月1日

底本

  • 牧野信一全集第四巻
  • 筑摩書房
  • 2002(平成14)年6月20日