ヘイスティー プディング
Hasty Pudding

冒頭文

(或時私は、菓子のことに就いて人に問はれた時、次のやうな返答を誌したことがある。たしか、おとゝしあたりの夏で田舎住ひを余儀なくされてゐた私であつた。)     —————————— 菓子のこと? おゝ、さうだ! ある! こんな話で好かつたら僕にも——。 ミセス・Nは、十余年前からの僕の極めて親しい友達なのであるが、五六年前に自国へ戻り、賢いミセスになつてからは、僕の妻とのみ主に

文字遣い

新字旧仮名

初出

「新文学準備倶楽部 第一巻第二号(七月号)」新文学準備倶楽部、1929(昭和4)年7月1日

底本

  • 牧野信一全集第三巻
  • 筑摩書房
  • 2002(平成14)年5月20日