しなをしるのみち
支那を識るの途

冒頭文

一 廣大な支那大陸の天然現象を研究することはその道の學者にとつて興味深いことに相違ないが、一般人の支那を知り度いとか支那は不可解だという云ふ場合の「支那」は其の殆ど總ての場合に於て專ら其人文現象のみを意味するのである。從つて私も亦其意味に從ふであらう。今少し詳しく言へば、我々の論議の對象は支那民族を構成する所の個人及び社會であり、個人に關する諸現象は心理學とか人種學とか云はるゝ自然科學の

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「月刊支那研究 第一巻第一號」1924(大正13)年12月1日

底本

  • 月刊支那研究復刻版全四冊 第一冊
  • 龍渓書舎
  • 1979(昭和54)年9月30日