サーカスのしょうねん
サーカスの少年

冒頭文

輝(かがや)かしい夏(なつ)の日(ひ)のことでありました。少年(しょうねん)が、外(そと)で遊(あそ)んでいますと、花(はな)で飾(かざ)られた、柩(ひつぎ)をのせた自動車(じどうしゃ)が、往来(おうらい)を走(はし)ってゆきました。そして、道(みち)の上(うえ)へ、一枝(ひとえだ)の白(しろ)い花(はな)を落(お)として去(さ)ったのです。 これを見(み)つけた子供(こども)たちは、方々(ほ

文字遣い

新字新仮名

初出

「国民新聞 日曜付録」1929(昭和4)年7月14日

底本

  • 定本小川未明童話全集 6
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年4月10日