ガラスまどのこうほね
ガラス窓の河骨

冒頭文

ある草花屋(くさばなや)の店(みせ)さきに、河骨(こうほね)が、小(ちい)さな鉢(はち)の中(なか)にはいって、ガラス戸(ど)の内側(うちがわ)にかざられていました。街(まち)の中(なか)で、こうした片(かた)いなかの水辺(すいへん)にあるような緑色(みどりいろ)の草(くさ)を見(み)るのは、めずらしいといわなければなりません。 しかし、河骨(こうほね)にとっては、こうして置(お)かれることは

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1928(昭和3)年7月

底本

  • 定本小川未明童話全集 6
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年4月10日