ゆきくるまえのこうげんのはなし
雪くる前の高原の話

冒頭文

それは、険(けわ)しい山(やま)のふもとの荒野(こうや)のできごとであります。 山(やま)からは、石炭(せきたん)が掘(ほ)られました。それをトロッコに載(の)せて、日(ひ)に幾(いく)たびということなく高(たか)い山(やま)から、ふもとの方(ほう)へ運(はこ)んできたのであります。ゴロッ、ゴロッ、ゴーという音(おと)をたてて石炭(せきたん)を載(の)せた車(くるま)は、レールの上(うえ)をす

文字遣い

新字新仮名

初出

「童話」コドモ社、1926(大正15)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 6
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年4月10日