ふるさと
ふるさと

冒頭文

北(きた)の故郷(こきょう)を出(で)るときに、二羽(わ)の小鳥(ことり)は、どこへいっても、けっして、ふたりは、はなればなれにならず、たがいに助(たす)け合(あ)おうと誓(ちか)いました。すみなれた林(はやし)や、山(やま)や、河(かわ)や、野原(のはら)を見捨(みす)て、知(し)らぬ他国(たこく)へ出(で)ることは、これらの小鳥(ことり)にとっても、冒険(ぼうけん)にちがいなかったからです。そ

文字遣い

新字新仮名

初出

「ふるさと 47巻2号」小学校、1929(昭和4)年5月

底本

  • 定本小川未明童話全集 6
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年4月10日