なんぽうものがたり
南方物語

冒頭文

一 北(きた)の方(ほう)の町(まち)では、つばめが家(いえ)の中(なか)に巣(す)をつくることをいいことにしています。いつのころからともなく、つばめは、町(まち)の人々(ひとびと)をおそれなくなりました。このりこうな鳥(とり)は、どの家(いえ)が、朝早(あさはや)く起(お)きて、戸(と)を開(あ)けるか、またどの家(いえ)には、どんな性質(せいしつ)の人(ひと)が住(す)んでいるか、また、この

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1928(昭和3)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 6
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年4月10日