せんばづる
千羽鶴

冒頭文

ある村(むら)に人(ひと)のよいおばあさんがありました。あるとき、お宮(みや)の境内(けいだい)を通(とお)りかかって、たいへん、そのお宮(みや)がさびしく、荒(あ)れてしまったのに心(こころ)づきました。 むかし、まだおばあさんが、若(わか)い娘(むすめ)の時分(じぶん)には、そんなことはなかったのであります。盆(ぼん)には、この境内(けいだい)で、みんなと唄(うた)をうたって踊(おど)った

文字遣い

新字新仮名

初出

「教育の世紀 4巻7号」教育の世紀社、1916(大正15)年7月

底本

  • 定本小川未明童話全集 6
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年4月10日