しとはなししたひと
死と話した人

冒頭文

A(エー)は、秋(あき)の圃(たんぼ)へやってきました。夏(なつ)の時分(じぶん)には、小道(こみち)をふさいで、脊(せ)高(たか)く伸(の)びていた、きびや、もろこしの葉(は)は、褐色(かっしょく)に枯(か)れて、茎(くき)だけが、白(しろ)さびの出(で)たと思(おも)われるほど、かさかさにひからびて、気味悪(きみわる)く光(ひか)っていました。そして、ところどころに、赤(あか)い実(み)のとう

文字遣い

新字新仮名

初出

「童話文学」1928(昭和3)年11月

底本

  • 定本小川未明童話全集 6
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年4月10日