おばあさんとツェッペリン
おばあさんとツェッペリン

冒頭文

おばあさんは、まだ、若(わか)い時分(じぶん)に、なにかの雑誌(ざっし)についている口絵(くちえ)で見(み)た、軽気球(けいききゅう)の空(そら)に上(あ)がっている姿(すがた)を、いつまでも忘(わす)れることができませんでした。 青(あお)い色(いろ)が、ところどころに出(で)て、雲(くも)の乱(みだ)れた空(そら)を高(たか)く、その軽気球(けいききゅう)は、風船球(ふうせんだま)を飛(と

文字遣い

新字新仮名

初出

「童話文学」1930(昭和5)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 6
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年4月10日