おさくのはなし
おさくの話

冒頭文

おさくは、貧(まず)しい家(いえ)に生(う)まれましたから、小学校(しょうがっこう)を卒業(そつぎょう)すると、すぐに、奉公(ほうこう)に出(で)なければなりませんでした。 「なに、私(わたし)が、いいところへ世話(せわ)をしてやる。」と、植木屋(うえきや)のおじいさんはいいました。 彼女(かのじょ)の父親(ちちおや)は、とうに死(し)んでしまって、あわれな母親(ははおや)と暮(く)らしてきまし

文字遣い

新字新仮名

初出

「教育研究」1929(昭和4)年10月

底本

  • 定本小川未明童話全集 6
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年4月10日