あかいえりまき
赤いえり巻き

冒頭文

お花(はな)が、東京(とうきょう)へ奉公(ほうこう)にくるときに、姉(ねえ)さんはなにを妹(いもうと)に買(か)ってやろうかと考(かんが)えました。二人(ふたり)は遠(とお)く離(はな)れてしまわなければなりません。お花(はな)は、まだ見(み)ないにぎやかな、美(うつく)しいものや、楽(たの)しいことのたくさんある都(みやこ)へゆくことは、なんとなくうれしかったけれど、子供(こども)の時分(じぶん

文字遣い

新字新仮名

初出

「童話研究」1928(昭和3)年9月

底本

  • 定本小川未明童話全集 7
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年5月10日