じゅうにしこう 01 とらにかんするしわとでんせつみんぞく |
| 十二支考 01 虎に関する史話と伝説民俗 |
冒頭文
(一)名義の事 虎梵(ぼん)名ヴィヤグラ、今のインド語でバグ、南インドのタミル語でピリ、ジャワ名マチャム、マレー名リマウ、アラブ名ニムル、英語でタイガー、その他欧州諸国大抵これに似おり、いずれもギリシアやラテンのチグリスに基づく。そのチグリスなる名は古ペルシア語のチグリ(箭(や))より出で、虎の駛(はや)く走るを箭の飛ぶに比べたるに因るならんという。わが国でも古来虎を実際見ずに千里を走ると信じ、
文字遣い
新字新仮名
初出
虎に関する史話と伝説民俗「太陽 二〇ノ一、二〇ノ五、二〇ノ九」博文館、1914(大正3)年1月、5月、7月<br>(付)虎が人に方術を教えた事「民俗学 三ノ一〇」民俗学会、1930(昭和5)年10月
底本
- 十二支考(上)〔全2冊〕
- 岩波文庫、岩波書店
- 1994(平成6)年1月17日